「セレンディピティ」という言葉をお聞きになった事がありますか
「セレンディピティ」の日本語訳は「思わぬ幸運に偶然出会う能力」です。「偶然に幸運に出会うこと」を「セレンディピティ」ということもあります。
昨年、ノーベル賞を受賞した下村修博士の研究も「セレンディピティ」と呼べる偶然が研究成果に関係していると思います。また、別の見方をすれば、ノーベル賞に匹敵するような大発見には、偶然の幸運が関係するような、あらかじめ予想も出来ない結果や成果があるといえます。
では、「セレンディピティ」を日常の生活にいかすにはどうすればよいのでしょう。
「セレンディピティ」という用語は２５０年ほど前から使われ始めた言葉で、現在英語圏では、一般的に使われる用語になっています。
日本では一般的に使われる用語ではないので、なじみのない概念かもしれませんが、最近では、女性週刊誌に「セレンディピティ」は「素敵な恋人に出会う能力」と紹介され、特集記事になるほどです。
例えば、英会話のレッスンで同じクラスになった女性と話をしたら、二人とも海外旅行が趣味で意気投合し、レッスンの帰りに食事をするようになり、恋人になったというのは「セレンディピティ」の典型的な例と言えると思います。
あるいは人生に行き詰まりを感じて悩んでいるときに、書店に並んでいる本のタイトルに解決策を見出したり、偶然再会した同級生に就職口を紹介してもらったり、同じ業種の会社を経営していて仕事を回してもらったりなど人生を変えるような経験を持つ人もいると思います。
このように私達は、多かれ少なかれ人生に「セレンディピティ」の影響を受けていると言えます。
ノーベル賞を受賞した下村修博士、小柴昌俊博士、白川英樹博士、島津製作所の田中耕一さんの四人の研究は、科学史に残るような大発見を、当初の研究目的とは違う形で発見しました。
では、彼ら四人は単に運が良かったから偶然の幸運を手に入れることが出来たのでしょうか？
小柴先生は、岐阜県の山奥にある鉱山跡にカミオカンデを作り上げて超新星爆発のニュートリノを観測されたわけですが、１９８０年代初めに国と交渉して４億円（当時としては巨額）の費用を工面し、地下深くに３０００トンの純水を溜めて、それまでよりも高性能の光センサーを交渉の末に安価で製造してもらい建設にこぎ着けました。
想像も出来ないほどの困難を乗り越えて完成されたのだと思います。
このように大きな幸運を得た人たちは、幸運を掴むまでに準備と能力を身につけていたから、いざ幸運に巡り会ったときに生かすことが出来たのです。
幸運は運任せだからと言って何もしないでただ待っているだけでは幸運は訪れないし、仮に訪れたとしてもチャンスを生かすことが出来ません。
まずは、行動を起こすことが大事です。
どう行動していいか分からないとか、行動しても意味がないと、行動しない人がいますが、行動を起こさないことには幸運に巡り会う可能性は高まりません。
また、行動することで得た経験が幸運を生かす準備になり、同時にあなたの能力を高めることになります。
幸運を掴む近道は、遠回りに見えても経験を積み努力し頑張ることです。
「セレンディピティ」は偶然による幸運ですから、Ａというものを手に入れようと出発しても偶然にＢというものを手に入れると言うことです。
Ａが欲しくてＡを手に入れることが最高だと思われるかもしれませんが、ノーベル賞のように自分が想像も出来ない大きな成果は自分の計画の先にはないもので、偶然に天から降ってくる幸運です。
あなたの人生でのノーベル賞を手に入れるために人生を大切に使ってください。
もう一つ大事なことは、自分の周りや目の前で起きていることに対して注意深くなることです。
「セレンディピティ」はいつ起きるかもしれません。この瞬間にも起きているかもしれません。起きていることに気づかずにいては、何度幸運が訪れても幸せになれません。
気づくコツは脳を１００％使い切らないことです。特に人生に問題が多すぎると問題を考えるだけで脳の能力を使い切ってしまいます
目の前で幸運が起きていても気づく事が出来ません。
自分以外に起きている問題や人への批判に意識を向けることを止めましょう。
そして、５分でも良いですから一日を振り返る時間を作ってください。間違っても反省の時間に使わないでくださいね。
振り返ることで何かの兆しを見つけることが出来るかもしれません。
このように常に幸運を掴む準備をする態度を取ることであなたの「セレンディピティ」は向上します。
もちろん夢を実現するための資格や能力を磨くこともお忘れなく。
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