記憶は真実とは違う : 電話カウンセリングのクオーレ カウンセリングルーム

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記憶は真実とは違う

今回のテーマは、「記憶は真実とは違う」です。つまり、記憶は自
分流に書き換えられており、複数の人が同時に体験した同じでき事
も体験した人によってまったく違った内容で記憶されています。

芸能界の話題を取り上げてみたいと思います。2月の芸能界のビッ
クニュースは、「おくりびと」のアカデミー外国語映画賞の受賞で
はないでしょうか。

私も公開直後に映画を見ましたが、とても良く出来た作品でした。

海外では日本人が思っているよりもアニメや日本製品に対する評価
が高く、多くの人が日本文化に憧れや格好良さを感じています。

アメリカ人には本木さんの演じる納棺師の所作が新鮮で格好良く感
じられ、映画への高評価にもつながったと私は感じています。

もうひとつのビックニュースというか、多くの人が驚きを感じたニ
ュースは、玉置浩二さんと石原真理子さんの入籍報道だと思います。
二人は24年前に不倫関係の末に玉置さんの石原さんへのDV(家
庭内暴力)が原因で別れたとされています。

DVは退院まで一ヶ月半を要する命に関わる大怪我だったそうです。

殺されそうになった男と一緒になるのを不思議に感じた方もいらっ
しゃると思いますが、パートナーから何度も暴力を受けても、関係
を続けるカップルも珍しくはありません。

暴力をふるわれた直後には別れようと思うのですが、相手が謝ると
ロマンスを感じ、許し、元のサヤに収まってしまうのです。

この関係は、共依存の関係で暴力の被害者も無意識のうちに加害者
と被害者の関係を長続きさせることを選択し協力しているのです。

さらに、24年の年月は過去の物語を無意識のうちに書き換えてい
る可能性があります。出来事を体験すると、見たり、聞いたり、感
じたりした情報を脳の前頭葉の部分で処理しています。

体験が記憶されるまでには長い時間がかかり、体験した瞬間の判断
や感じたことに後の解釈が意識しないうちに加わって記憶されます。

そればかりか心に大きな傷を作るような出来事を経験すると、前後
の記憶も心の傷に伴う判断に合わせたような物語に書き換えられ、
事実とは異なる物語になることさえあります。

私達は、記憶は正しものと思っていますが、実は個人の解釈が加わ
ったものが、今の記憶となっているのです。

つまり、私達が真実だと思っている過去の記憶も実は当てにならな
いものなのです。

両親から愛情深く育てられていても、出来事を誤解することで、ま
ったく愛されなかったと思い込む人もいます。

誤解から愛されなかったと思い込んでいても、本人にとっては真実
と思えるので、愛されることを信じられなかったり、恐れたりする
ことで、幸せになることが、とても難しくなります。

あなたは、親が十分なことをしてくれないと感じたり、親からひど
い扱いをされたと感じているかもしれません。

受けた行為は許せないかもしれませんが、そのような振る舞いをす
る親も育った環境が十分ではなかったり、親から十分な愛情を与え
られなかったり、ひどい扱いを受けた経験を持っています。

幼児虐待をする親も、親から虐待を受けていたケースはめずらしく
ありません。

自分自身のために親に許しを与えて下さい。

そして、今日は親がしてくれた肯定的な部分に光を当てて下さい。

親が何もしてくれなかったら、すでにあなたは、この世にいないは
ずです。どんな些細なことでも感謝できる事を見つけて、自分が愛
されていたことを認めて下さい。

そして、今よりも愛されることを自分自身に許して下さい。